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食のタニマチ「蓮池商店」

愛される理由(美魔女のコシヒカリ)


「愛される理由」あれ、昔こんな本あったよね?

愛される理由がわかれば誰でもみんな愛されることができるのに、そうはなれないのが辛いよね。うふふ。

突然ですが、日本のお米の種類って増えましたよね。

ゆめぴりか(北海道)、青天の霹靂(青森)、ミルキークイーン(北海道)など一度は聞いたことあるものから、くまさんのちから(熊本)、おいでまい(香川)などそんなのあったの?というものまで現在300種類以上の銘柄があるというからびっくりですよ。

日本人のお米に対する根性は半端なくて、南に起源があるお米が、東北や北海道の育ちにくい北国まで広がったのは、きっと病みつきになるおいしさをDNAレベルで知っていたと本で読んだことがある。

私の母のルーツは宮城県古川市。米どころの旧家の娘なこともあって、お米といえば「ササニシキ」の一点張りで、子供の頃は「これが一番美味しい」と言われ続け育った。その後ササニシキはひとめぼれというそれは可愛らしいとネーミングのお米に作付面積を奪われ、生産は減ってしまった。コシヒカリと肩を並べていたササニシキは、現在生産量は、下位から数えた方が早いぐらいに。とはいえさっぱりとした味わいのササニシキは、根強いファンがいるのでまだなんとか粘っている感じです。

一方、コシヒカリはというと、世にこんなにもたくさんの種類があるのにもかかわらず、作付面積がトップなのです。平成28年もコシヒカリが全体の35.9%。日本の1/3はコシヒカリなのです。すごい!

さらにすごいのは、トップキープが何年だと思いますか?

昭和54年から38年トップですよ。もうね、完全にスーパースターです。ものすごい!

その愛される理由は、病に弱くしおらしく倒れるけど、つよい香りと旨味がとても魅力的だから。

病は、生産者にとって大問題。いもち病に弱く倒れやすいにもかかわらず、消費者にとってたまらなくおいしいということです。

もう一つ、これは滋賀県のオーガニックでお米を生産している人から話を伺ったのですが、コシヒカリは、梅雨時の味の変化が少ない、劣化しにくい性質を持っているんですって。梅雨時から夏場の味が落ちる時期に、他のお米に比べ味が落ちにくくおいしいのです。美魔女のようななものですね?

その美魔女の故郷についてですが、生産量のトップはご存知新潟県なのですが、お国は、お隣の福井だそうですよ。

福井県農事試験場で産み出され、新潟県農業試験場で育った。かつて新潟県と福井県を「越国」(こしのくに)と言われていたとのことで「越の国に光輝く米」という願いを込めて「コシヒカリ」と命名されたとのこと。

日本人にとってソウルフードのお米。神様にお供えするものだからか、未来に

希望を託した美しい響きのものが多い気がするな。

お米の話はまだまだ尽きないからまた今度。


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蓮池 陽子 Yoko Hasuike
料理家 フードデザイナー
東京 雑司が谷出身。ビストロ勤務の後、料理教室で料理・製菓講師を務める。その後アウトドアで山菜や貝などを採取をする中で、おいしい物の背景には“美しい自然”や“沢山の物語”があることに開眼。現在は「食の物語を紡ぐしごと」をコンセプトにケータリング・料理教室、フードコーディネート、メニュー開発、執筆などを行っている。

​→Official Site [Atelier Story]

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